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K-POP英語コンテンツの日本語訳。たまに韓国語も。

【日本語訳】K-POPスターを支えるアメリカ人たち⑤

2020年3月29日にCNN Entertainmentに掲載された「You know your K-pop stars. Now meet the American producers and songwriters behind them」の日本語訳です。

 

非常にボリュームがあるため、数回に分けて投稿していこうと思います!(笑)

 

長かったこのシリーズもついに今回でラスト!

 

今回は「Chikk」について紹介します。

 

K-POPスターは知っている。それなら彼らを支えるアメリカ人プロデューサーとソングライターに会いにいこう!#5

 

【元記事】

 BTS, Red Velvet, Blackpink: Meet the American producers and songwriters behind your favorite K-pop stars - CNN

 

☆☆☆

 

Chikk

 

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K-POPグループEXOのレイとChikk

《Chikkの楽曲》

EXO「Overdose」「Monster」、少女時代「Mr.Mr.」、テヨン(少女時代)「Why」、レッドベルベット「Red Dress」、NCT 127「Kick It」

 

Rodnae "Chikk" Bellはすでにソングライター歴一年目にして、Iggy Azalea、Jordin Sparks、Jennifer Hudsonなどアメリカの大物に歌詞を書いてきた。だからパブリッシャーが彼女に対して韓国に行きたいか尋ねたとき、彼女はあんまり乗り気ではなかった。

 

「なんで?って感じでした。だけどパブリッシャーはその話に聞き入っていて、『あなたならうまくやれる!』といった感じでした。正直自分はやろうと思わなかったけど、費用がかからなかったし彼らがおごってくれるっていうから行くことにしました。」とChikkは言う。

 

Chikkは2013年に韓国へ飛んだ。そしてそれが海外アーティストとの作業で外国に滞在する初めての経験にもかかわらず、EXOの「Overdose少女時代の「Mr.Mr.」という2つの大ヒット曲をかきあげて母国へ帰ってきた

 

「2回も1位を記録して、『わお、私ほんとにこの分野が得意なのかも』って感じでした。」とChikk。「今は平均して1年に4回は韓国に行っているの。」

 

ChikkはThe StereotypesのYipの発言と似たことを言った。アメリカのアーティストが彼らの音楽への評価を非常に欲している一方、K-POPアーティストはもっと複雑なメロディーと変化を音楽中に求めているということについてだ。Chikkはその理由ははるばる朝鮮戦争にまでさかのぼるという。

 

戦争の間に多くのアメリカ軍人が韓国に駐在したため、Nat King ColeLouis Armstrongを含むジャズのスーパースターたちが軍人を支援するために現地で演奏を行った。韓国の海外文化広報院によると、彼らの音楽は韓国人の間で大流行となったそうだ。

 

「だから再建の時から、韓国は技術的に複雑なメロディーにより成り立っていて、国として団結する重要な時期には黒人音楽の上に成り立っていた。」とChikkは言う。

 

しかし、K-POPにとって原動力となった黒人音楽と文化が理由で、K-POPは文化を横取りしたものだと批判されてきた。

 

K-POPアーティストがミュージックビデオの中でドレッドロックス(レゲエミュージシャンがやるような、髪の毛を縮らせて細く束ねたヘアスタイル)やコーンロウを行うことから、ブラックフェイスでパフォーマンスすることまで、多くのK-POPと韓国のヒップホップアーティストは黒人文化を盗んでいるということや露骨な人種差別者としてたたかれてきた。

 

しかし、韓国は世界でも多様な人種が存在する国の一つであり、そのためアーティストや芸能事務所はいまだに文化の横取りと称賛の間で「みんなが満足できる地点」を見つけるよう努力しているとChikkは言う。

 

Chikkによれば、K-POPアーティストが文化の盗用で非難されることより心が痛いのは、ソングライターにあたえられる楽曲クレジットが欠けていることであるという。

 

「何年か前に、韓国のチャートでは多人種のアーティストをみることができないと聞いたことがあるのを覚えています。それが韓国の重役が私に伝えたことです。」とChikkはふりかえる。「だけど周りを見回せば、みんな違う人種の間で曲を書いていました。私にとってそれは傷つくことだし、それは私たちが戦っていることだと思います。アーティストたちを本当に助けている人々へ敬意をはらえる開放さが、本当の彼らを形作ってくれると思います。」

 

彼女自身のデビューシングル「Happy Now」をリリースしたばかりのChikkは、K-POP制作作業の間に学んだ韓国スタイルをとりいれるため、今は自身の楽曲制作にとりくんでいるという。

 

「私は世界のあちこちで自分自身を見つけました。」とChikkは言う。「K-POPは私にこのアイデンティティをもたらしてくれたし、自分がすごいことを成し遂げるために生まれてきたということを感じさせてくれました。

 

☆☆☆

 

Chikkさんは今まで紹介してきた方々とは違い、韓国での活動に懐疑的だったんですね。

 

そんな彼女がひょんなことから韓国へ行き、K-POPのヒットを生み出し、新たなインスピレーションを得て、彼女がK-POPを特別なものだと思うようになるという、面白いお話でした。

 

K-POPの力は絶大だ…